令和の杜

2021年7月21日

改葬(お墓の引っ越し)とは?メリットや費用、手順など徹底解説!

「改葬」についてご存じですか?「改葬」とは、簡単に言えばお墓のお引っ越しのことです。

お墓参りに行く際に費用がかさんでしまったり、実家のお墓が遠くてなかなか行けなかったりなどのお悩みをお持ちなら、「改葬」を一度検討してみることをお勧めします。

この記事では、改葬のメリットや費用、手順など、わかりやすく解説していきます。

■ 改葬とは?

改葬とは、簡単に言えばお墓のお引越しのことです。

今あるお墓の墓じまいをし、墓地の区画を管理者に返した後、埋葬されている遺骨を別の墓地や納骨堂に移動させることを指します。郷里を離れて墓地が遠くなったり、数年に一度しかお墓参りができなかったりした場合は、改葬を検討してみましょう。

今回は、ペットと一緒のお墓に入ることができるのか、お墓の種類、選び方などについて紹介したいと思います。


■改葬をするメリット

それでは、改葬をする具体的なメリットについて解説します。

・利便性

お墓が遠い場所にあると、お墓参りにいく頻度も下がりますよね。

年に数回行くにしても交通費がかさむこともあり、お墓参りするだけでも一苦労です。しかし、今お住まいの近所に改葬することができれば、墓参りの負担が減り、散歩がてらに行くこともできます。

・お墓の継承問題の解消

お墓の継承問題は、少子高齢化が進む現代において悩みの種であり、どの家庭でもよくある問題です。

お墓の継承者がいなければ、無縁墓になってしまいますので、永代供養や納骨堂、樹木葬など、継承の必要がない埋葬方法にすれば、いざという時にも安心ですね。

・無縁墓にしなくてよい

改葬して定期的にお墓参りに行くと、無縁墓になることを防げます。

無縁墓を放置することは、先祖にとっても霊園にとっても悲しく迷惑にもなるので、無縁墓がある場合は早急に親族内で話し合って今後について検討しましょう。


■ 改葬手続きの手順

それでは、実際に改葬する上での具体的な手続きや手順について見ていきましょう。

・親族、寺院との事前相談

改葬をする際には、事前に親族や今まで供養を行ってくれていた寺院と相談をしましょう。

事前に相談をせずに改葬手続きを進めてしまいますと、親族とのトラブルになりかねません。きちんと理解と納得を得て、改葬の手続きを進めていきましょう。

・改葬先を確保し「受け入れ証明書」を発行

親族の了承を得たら、遺骨の移転先を決めます。

その後、移転先の墓地管理者より「受け入れ証明書」を発行します。「受け入れ証明書」を発行してもらうことで、遺骨の移転先が決まったことを証明できます。

・「埋葬証明書」の発行

改葬先が決まれば、管理者および住職に正式に改葬の申請をします。

改葬承諾を得たら、著名・捺印をいただき「埋葬証明書」を発行します。

・「改葬許可申請書」の申請・発行

遺骨が埋葬されている市町村役場で、改葬許可申請書を受け取ります。

受け取った申請書は埋葬先の住職または管理者から著名・捺印をいただき、申請書の役場に提出します。その後、改葬許可証が発行されます。

・御魂抜きの法要

お墓は、魂が宿っている状態のまま、動かしたり捨てたりするのはタブーとされているため、お坊さんにお経をあげていただき、お墓に宿った魂を抜くための供養をします。供養を終えると、墓石の処分を行います。

・開眼供養

最後に、改葬先の規則に倣って新しいお墓に納骨します。

納骨の際に、「開眼供養」という魂を入れる供養をしてもらいます。開眼供養を行うことで、ただの石である墓石に、亡くなった方の魂を宿すことができます。


■費用と相場

様々な手続きが必要な改葬ですが、一体いくらほどかかるのでしょうか?

改葬にかかる費用と相場について見ていきますと、改葬費用の相場は230万~330万円ほどですが、費用が発生する項目が多くケースによってかなりばらつきがあります。

そのためご自身の予算感と照らし合わせて慎重に選ぶことが必要かもしれません。

・墓石の処分

改葬するにあたって、まずは今あるお墓を撤去・処分してもらい、お墓があった土地をもとに戻す必要があります。

費用はお墓の大きさや重さだけではなく、お墓自体の構造、石塔の数やお墓のある環境(例えば重機の使用の可否、搬出入路の確保など)を基準としてお見積り額が変動しますが、一般的にはには墓石解体工事費の費用相場は10万円/1㎡で行う業者が多いようです。

・離檀料

お寺にあるお墓を撤去・処分して檀家をやめることを離檀といいます。

その際にこれまでお世話になった感謝の気持ちを込めて支払うお金が離檀料です。離檀料は法律やルールで定められてはいませんが、今まで先祖の魂を守り、供養してきてくれたことへの感謝を示す謝礼金として包まれる方が多いため、事前にお寺に確認することが必要です。

・新しくお墓を建てるために必要な諸費用

改葬をするためには様々な手続きが必要ですが、手続きごとに料金が発生します。

改葬許可証

「改葬許可申請書」提出の手数料は1,000円ほどかかる場合がありますが、自治体によっては無料のケースもあります。

埋葬証明書

「埋葬証明書」の交付には、自治体によって異なりますが300円~1,500円ほどの手数料がかかります。

納骨費用

新しいお墓に遺骨を納める費用です。相場としては3万~5万円ほどといわれています。

開眼供養

亡くなった方の魂を宿す供養である開眼供養。供養料としては3万~5万円ほどといわれています。

お墓の運搬費と墓石代

改葬は、今まで使用していたお墓をそのまま使うことができます。

その際には、墓石を運搬しなければならないので運搬費がかかります。距離や墓石の大きさ、重さなどによって値段は異なりますが、およそ100kmの移動で15万円~20万円ほどの費用がかかります。墓石購入の平均価格は122万円ほどといわれています。


■ よくあるトラブルと防止策

改葬をする際に、親族や寺院とトラブルになるケースがあります。起こりがちなトラブルについて解説していきます。

・寺とのトラブル

寺院にあるお墓を改葬するとなると、これまでお世話になった檀家をやめることになります。

その際、今までの供養に対しての感謝の意として離檀料を収めることがありますが、離檀料に関しては法律などの規制がなく、住職の判断となるので事前に話しておくことが大切です。稀に高額な離檀料を請求される場合がありますが、そのような場合には弁護士や行政書士などに相談しましょう。

また、お持ちのお墓の解体処分工事の際は、寺院や霊園によって出入りの石材店(指定石材店)が決まっている場合があります。そのため、指定の石材店以外に依頼できない可能性もあり、高額な工事費用を請求されることもあります。

こうしたトラブルを避けるためにも、事前に見積りをお願いし、金額に納得した上で依頼・発注をするようにしましょう。

・家族とのトラブル

改葬するにあたって、親族とトラブルに発展するケースがあります。

お墓は親族それぞれに思いや考えがある大切なものであるため、独断で判断して改葬手続きをしてしますと、トラブルになりかねません。事前にきちんと伝えて了承を得て、円満に行いましょう。


■まとめ

これまで改葬について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

近年は、ライフスタイルの多様化とともに、お墓のかたちも多様化しています。

お墓を単なるモノとはとらえず、残された方々の大切な思いが詰まっている拠り所であることを忘れず、お墓と向き合いましょう。

「令和の杜」では、改葬(お墓の引っ越し)や改葬の手続き、解体工事なども承っており、自分らしさを大切にした「人生の閉じ方」を選択するためのお手伝いをしております。今一度、ご親族のお墓と向き合ってみてはいかがでしょうか。

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